遺伝資源からの利益の分配ルールと、2020年・2050年までの生態系保全の目標が焦点のCOP10。対立を残したまま会議は最終盤に入りました。
参加国全体の合意が作れなかった温暖化問題のCOP15と比較されることもありますが、今回は議定書の原案は形になっているし、各国の交渉は決裂せずに続けられています。議長国である日本の「本気度」が問われていると思います。
さて、自然と人とが共存・共生してきた世界中の暮らしの知恵や技術を共有するという「里山イニシアティブ」をCOP10に提案している日本ですが、菅首相は環太平洋戦略経済連携協定(TPP)への参加検討を表明しています。
TPPは、原則として例外品目を認めずに関税を撤廃するもの。農産物も対象です。農水省の試算によると、TPP参加で直ちに関税撤廃を行い対策を講じな かった場合、コメなど主要19品目の自由化はGDPを7.9兆円押し下げ、国産物のほとんどが壊滅的打撃を受けるとしています。
食料自給率は現在の40%から14%へ。コメはわずかな有名ブランド品のみが残り、砂糖は国産品は流通しなくなるなど衝撃の試算結果です。
営農が維持できないで、「里山」が守れるはずがありません。
これまでも農産物・木材の輸入自由化で農林業は打撃を受け、営農は厳しさをましています。日本政府自身が「里山イニシアティブ」実践の先頭に立つ気があるのかどうか。欺瞞であるなら、きびしく批判しなければなりません。
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