2010年12月10日金曜日

Via Campesina

「虫博士」よりビア・カンペシーナ(農民の道)のフォーラムについて詳報です。

ビア・カンペシーナは国際的な農業者・農民の運動団体。日本からは「農民連」(農民運動全国連合会)が正式に参加しています。
農業や農業者の暮らしを守れ、ということを基本にすえて、温暖化問題では「小規模家族農業と食糧主権こそ地球温暖化の解決策」と提言し、行動しています。(詳しいことはぜひ「農民連」のサイトを読んでください!農業問題は各国ごとにさまざまであることも手伝って、短く説明しようとしても長くなってしまう…)
南米で生まれたビア・カンペシーナには、現在はアジア、オセアニア、ヨーロッパ、北アメリカを含む各国から農民と農民の運動体が参加。今回メキシコは「本拠地」であることもあり、単独で「キャンプ」をはっています。コペンハーゲンの時には「Clima forum」という、国連未登録のNGOの集まりに参加していましたが、なにしろ今回は人数も規模も文字通り桁違い。

バスケットゴールや運動場の巨大な空間を借り切って、フォーラムのない間はステージ上では常に爆音でラテンなバンドたちがかわるがわる演奏していて、お祭りのようです。
ステージの反対側の天幕の下では、手染めやプリントのTシャツや手作りアクセサリーや音楽CDも売られています。やっぱりお祭りみたいです。

会場内にはマルクスがVサインをしている絵の入ったポスターがあったり、一本の木と一頭のチョウが描かれたCOP16の公式マークの、木の葉を紙幣に、チョウを髑髏に描き替えた過激な皮肉の横断幕があったり、その他たくさんの主張を持った紙が張られています。共通するのは「気候変動や炭素を商売の道具にするな!」ということのようでした。

わたしたちが到着した12月7日には大規模なパレードも行ったそうです。
今日の目玉企画は、ビア・カンペシーナの創立者の一人でもあるボリビア大統領(!)モラレス氏の参加するフォーラム。アメリカやオーストラリアからの参加者も発言していたのが印象的でした(残念ながら発言のほとんどがスペイン語だったこともあり、内容は把握しきれませんでした…)

モラレス氏はなんとたちっぱなしで1時間以上公演。会場に呼びかけるたびに歓声が上がり、旗が振られ、あるいは楽器が鳴り出します。「キャピタリスモ」と いう言葉がたくさん出てきました。温暖化でも農業や農民の暮らしでも、なによりも儲けが最優先されるという資本主義のシステムそのものが害悪をもたらしているということのようでした。同時に「ソーシャリスモ」という言葉も聞かれました。ベネズエラのチャベス大統領なども新しい社会主義、という言葉を使いますが、南米では民主主義をより進めた、誰もが豊かになる新たな社会への模索が強まっていることを実感しました。

集まっている人はみんな陽気で、運動の大変さはあるのに深刻さはこの場では感じられません。未来に向けて希望と期待をしっかり持っている人たちの集まりでした。

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